京都アニメーション火災によるうつ病〜銀座新橋日比谷有楽町・心療内科コラム

京都アニメーション火災によるうつ病〜銀座新橋日比谷有楽町・心療内科コラム

(患者さんの了承のもと書いています。また詳細情報を少し変更しています)

「最近、本当につらいことがあって、調子がすごく悪くなったんです」

ある患者さんが、診察の際に、自分に言いました。

「つらいこと…? どんなことですか?」

僕の質問にたいして、その患者さんは言いました。

「京都アニメーションの火災です」

「あぁ…!」

あのニュースで、調子を崩される患者さんはいるだろうな、と思っていました。
しかし実際に目にすると、あらためてあの事件の重みを感じます。

くわえてその患者さんは、以前から京都アニメーションの作品が大好きで、そして気持ちが救われたことが何度もあったそうです。
だからこそ、今回のことがショックだったようでした。

そしてそれによって、うつの症状が悪化してしまいました。
ある意味、当然なのかもしれません。

その結果、事件以降、

「なぜ、私がかわりにその場にいなかったのか。私が代わりになれば良かったのに」

そんな風に、毎日のように自分自身を責めていたそうです。
実際にうつ病になると「罪業妄想」という症状があります。自分自身が罪深いと思ってしまう妄想のことです。

もちろんそこまで行かなくても、とにかく自分を責めてしまう人は多いものです。
くわえてショッキングなできごとがあれば、すべてを自分のせいにして責めてしまいます。

あらためて、あのニュースの影響の大きさを知りました。

「そうでしたか…。つらかったですね…」

そんな風に話に共感しつつ、僕はできるかぎり言葉を選びつつ、言いました。

「でも、あの事件で亡くなられた方も、自分たちの作ったアニメで、観た人に勇気を与えたいと思うことはあっても、かわりに亡くなってほしいなんて間違っても思っていないと思いますよ。つらいと思いますが、その方たちのために、生きてみてはいかがでしょうか」

「……!」

患者さんは、その言葉に、少しだけ何かを感じてくれたようでした。

いずれにせよ、あらためて精神科的にも、色々と影響の大きい事件なのだな…と感じました。
あらためて、事件に関わられたすべての方の心の平穏が、一刻も早く訪れますことを、心から願っております。

(完)

 

 

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ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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